「気軽に建築士に相談出来る場」をつくりたかった

家づくりエピソード~住まう人のこだわりを学べたキッカケ~

おうち相談や代表:永瀬絵美
おうち相談や代表:永瀬絵美

 こんにちは。おうち相談やの永瀬です。

 1999年に藤沢の工務店に就職したのをキッカケに、湘南に移り住んで17年。

OMソーラーと自然素材の家づくりで、新築注文戸建ての設計ばかりではなく、現場監督業も叩き込まれました。家づくりの順番も分からないのに、いきなり建築現場へ送り込まれて職人や材料の段取りもするわけです。毎日毎日、大工の怒号が飛び、何度悔し涙を流したか分かりません。

 また、お客さまも湘南の暮らしを楽しむ方ばかりでしたから、造作収納に建具、桧とタイル張りの浴室、オリジナルキッチンなどの設計や納まりの検討、把手(とって)などのアクセサリー探しまで、こだわりの完全注文住宅ばかり。現場の職人がつくれるように、収まりも考えた細かな設計や材料選定までも鍛えられました。

 

段々違う方向へ向かいだした私の家づくり

設計事務所として独立したはずが…

 現場監督業に体力の限界と、時給800円相当の安月給に「ダメならバイトでやり直そう!」と軽い気持ちで2003年に独立。

設計事務所としてスタートを切りました。勤めていた工務店からも引き続き設計のお仕事もいただきつつ、職人や取引先からも軽いリフォームのお仕事もいただいて順調なスタートでした。ここで施工を引き受けてやって来たのが、今思えば運の尽き。

 新築工事のご依頼が来たのをキッカケに建設業の許可が必要になり、建設業取得の条件が法人化だったので、ここで工務店としての業務がスタートしたのです。

「よそに決めました」の一言で終わる関係

プランの終わりをメールで伝えられ驚き悲しむ女性
え?メールで一言さよならって??

大概は相見積もりで他社と競合します。百戦錬磨の営業のプロがいる会社には敵いっこありません。

純粋に住まう人に合ったプランニングだけに照準を合わせたい私には、この腹の探り合いなど駆け引きが、本当に苦痛でたまりませんでした。いくら心を込めて一生懸命に良い家を考えプランをしても、契約に至らなければ電話一本又はメールで一言、

「他所に決まりました」で関係性が終了してしまいます。勝てるプラン、巧みな営業トーク…など努力が必要と言われればそれまでですが、「ここまでしないと仕事にもならない」という虚しさ。そして“当て馬”として扱われる事にも疑問がありました。

いつの間にか背負っていた一人で抱えきれない荷物

膨大な業務を目の前に途方に暮れる姿
普通は2~3人雇ってやる業務よね…

●建築:打合せ、設計&見積もり、申請業務、材料や職人の段取り、現場監理。●営業:外廻り、HPやブログ、Facebookなどのweb営業。●事務:経理、総務、財務、経営…etc、やることは盛り沢山!なのにやるのは私一人。人を雇う余裕はありません。業務が重なるとてんてこ舞い。膨大な業務を目の前に、段々と「終わらせること」に照準を絞るようになって行きました。

トドメは…代金を払いたくないセコイ事業者の酷い仕打ち

あまりに酷い仕打ちに「さて法的措置でも取るか」と目論む女性
女と見るや酷い仕打ちも。まだまだ男尊女卑の強い業界です

事業者の家づくりを請けるようになり、契約~施工時は普通に対応していたのに最終金額を踏み倒す事業者が現れました。

百万円単位のかなりの金額です。私どもは性善説で人と関わるので、まさか代金を踏み倒すなんて…。最初から払う気が無かった“セコイ事業者の思惑”は全く見抜けませんでした。仲間と徒党を組んでお金を払わないための“言いがかりレベル”のクレームの数々。家づくりの根幹から揺るがされ、すっかり自信を失ってしまったのは言うまでもありません。

 

事業仕分けをした結果、【気軽に乗れる相談業務】がクローズアップ!

ライフオーガナイズ&レジデンシャルオーガナイズとの出会い

平積み用の造作棚
私の場合「平積み向きで木が好き」なのでこんな収納になります

 ライフオーガナイザーとは、平たく言うと整理・収納のプロ。ただこの手法は断捨離とは違って、また収納本とも違って、「捨てる」から始まらないし、ラベルも貼る必要がない。一人一人違って当たり前の行動のクセや、ラクにキレイな家を継続できる手法住まう人が自分自身で確立出来るところ。

 元々は「モノが多いので収納沢山つくって下さい!」とのご相談が続いたのが、資格取得のキッカケでした。ロフトに納戸、壁面収納…。そんなに収納ばかり増やしても片付くとも限らない。何故なら、収納が少なくてもずっとスッキリ住まう人、逆に沢山棚や納戸をつくっても上手に片付かないお施主様を多く見てきたからです。

 レジデンシャルオーガナイザーは、家づくりや住替えの前にラクにキレイな家を継続できる手法を組み込めるので、設計や家造りに携わる私には打ってつけでした。

サヨナラ、建設業!

監督女子
作業服とヘルメットにはお世話になりました

平成18年に取得した建設業は10年目の更新はせず、平成28年に返納いたしました。※1,500万円までの工事は請負可能

住空間をつくる過程は、打合せ~設計~契約~着工~工事~検査~引渡し。事業仕分けをした結果、着工以降(=施工)は手放すに至ったからです。施工は一人では無理だけど人を雇ってまでやる程の情熱は無く、何より楽しんでいなかったのです。

私が一番情熱を注ぐことが出来るのが、設計という形にするまでの住まう人にあった暮らしを引き出す事!そう実感しました。

身近にいる相談しやすい女性の建築士

2015年あたりから「建設は辞めるね」と周囲へお伝え始めた所、「うちの面倒(メンテナンス)は全部お願いしたい」「3年後に全面リフォーム考えてるから宜しくね!」など引き合いが絶えません。ありがたいお話です。また、「すごくいい仕事してくれたってアイツが言ってた!」と人づてにお褒めいただいたり、暖かい周囲の存在に、ズタズタだった家づくりのプライドも少しずつ戻りつつあります。それだけ、身近に相談しやすい建築士の存在が希少なのでしょう。渇望して下さる方には何らかの形で応えます。

これからは、「家づくり・暮らしをどうしたら住まう人に合わせられるのか」を一緒に考えて引き出し、一緒に喜び合える関係の身近な建築士として対応いたします。